最近、はじめてご挨拶する方に「dextrax」を名乗ると、本当によく、「DEX PISTOLS」さんと間違われます。
世の中にはいろいろな同姓同名、似たような名前があり、「小浜市とオバマ氏」じゃないですが、名称がユニークでありながら誰かに似ているというのは少なからず当事者に影響するようで。僕らの友人にはイシダジュンイチという人物がいますが、彼は実際にプレイボーイだったりする(!)ので、名が人を育んでいる側面はあるかも。dextraxの場合は先方と若干フィールドが近く、本当に混同している人が少しばかりいるので、損得の勘定が難しいですね。
ダンスミュージックという記名性の低いフィールドで活動しているので、dust brothers→chemical brothers、crazy penis→crazy pみたいに名前を変えるのも、やぶさかではないのですが。もう10年もdextrax名義で活動しているので、慣性半分、思い入れ半分で。正直いまさら変えるのも面倒だし、あえてこのまま続けていくのが筋かなとも思っています。
せっかくなので、今日はグループ名の由来を記しておきます。
dextraxという名義は、あるイベントに出演するときに〈何かユニット名があったほうがいいし、名前には濁音をつけておいたほうがいい〉というオーガナイザーの提案で決まった名前。
-「dex」はdecksでターンテーブルやカセットデッキを現している。
-「trax」はダンスミュージックの曲を呼ぶときの俗称であり、TRAXレコードやDANCE TRAXといった、シカゴに端を発する初期ハウス・ミュージックの呼称から頂戴している。
この名義で行う活動は、初期ハウスを名前に冠しつつ、オールドスクールそのものを再現するのでなく、その土台にあったグルーヴ感や躍動感を我流で突き詰めるということが一種のミッションだったりします。
所謂ブラックやスパニッシュ系のトラックメイカーが5秒でやったことを、我流で5日かけてやったり……。で、結果として出来上がりは全然違うものになるけれど、ダンスミュージックの軸である〈グルーヴ〉は絶対に外さない。。ちょっと突っ走って書いてしまうと、この軸を捉えられなかった日本産のダンス・ミュージックが結成当時に非常に多かったことも背景にあるかもしれません。
上述のようなことをメンバー間で意識下で〈なんとなく〉共有してきたので、実際に文章にしておくのは非常に恥ずかしいけれど、そういう語源で、そういう活動体です。
もっとも、そういう意図は、作り手側のエゴなので、あとはDJしたり聴いたり踊った人の印象に委ねられますが。まあ、dex"trax"であることは当人たちにとっては結構大事だったりするんです。
Move Your Body,Jack Your Body.
追:先日CDJ使いのDJで、自身がかけている曲名やアーティストを一切知らないことがあって。ある種のフラットな感覚に感嘆しつつ、ホワイトラベルのCDRでかけられてもダレも認知しないような、ジャンルの音楽であることに愕然としました。サウンド・シグネイチャー(っていうとカッコイイですね)が浮上してくる程度の暑苦しさがあるものを作りたいなと改めて思い、ステイトメントというより備忘がわりに記しておきます。
text:ryo of dextrax
最近のコメント