情操教育と無縁だったアル中が、夜通し呑んだ翌朝ヘロヘロになりながらクラシックの悦楽を知り、その手の音源を掘るにあたって調べてみた諸々。アップタウン・ベイビーなひとには当たり前すぎて、知らない人には敷居の高い予備知識の類。どこかの誰かにとっては有用かもしれないので、まとめてみましたYO(素人の走り書きなので、ご留意を。)
■年代ごとの音のトレンドの把握
まず、クラシック音楽はルネサンス期から数えても今日まで400年以上の歴史があり、それ以前のカタログも含めると2000年に渡るので、当然時代により、音の傾向は異なります。これは、演奏楽器の構成や作曲技法、さらには調律のキーとなる周波数も変遷しているようで、それぞれの時代にはやはり〈その時代特有のムード〉というものが流れているようです。
普段「80年代っぽい、90年代っぽい」「83年のディスコが絶妙」などと、アレンジの方向性や音響の具合で今日の音楽のトレンドを語ることがありますが、クラシックに関しても時代背景を理解することで掘る音に当たりをつけることは充分、可能ということかもしれません。
(参考)
http://www.yamaha.co.jp/edu/music/history/index.html
■演奏フォーマットの大雑把な把握
クラシックの音盤を前に、目の前にあるブツが、ピアノの独奏曲か、オーケストラがジャンジャンいってるのかは、タイトルから読み解くことができます。以下wikipediaより引用しつつYoutubeからピック。
* 管弦楽
o 交響曲:シンフォニー
o 交響詩
o 協奏曲:コンチェルト
+ ピアノ協奏曲
+ ヴァイオリン協奏曲
+ チェロ協奏曲
* 吹奏楽
* 室内楽
o 弦楽四重奏曲
o ピアノ三重奏曲
o ピアノ五重奏曲
o 木管五重奏曲
* 器楽
o ソナタ
+ ピアノソナタ
+ ヴァイオリンソナタ
+ チェロソナタ ※ほかにも、クラリネット・ソナタなどの二重奏ソナタが存在。
o トリオ・ソナタ バロック時代の特殊ジャンルで、古典派以降のソナタと異なる。
o 組曲
+ パルティータ
+ バレエ組曲
* 舞台音楽
o オペラ
o バレエ
o 劇付随音楽:演奏会形式で上演されることも多い(グリーグの≪ペール・ギュント≫など)
* 声楽曲
o オラトリオ
o カンタータ
o 合唱曲
o 歌曲
o 連作歌曲
当然楽器の数が増えれば増えるほど、〈ラウド、賑やか〉だったり〈ドラマティック〉な曲が増えると考えれば、これはジャズの〈ビッグバンド〉〈カルテット〉〈トリオ〉といった差異と同様の捉え方ができそうです。
■命名体系の把握
次に、長ったらしいタイトルを読み解くことで堀り道は、開けそうであります。
(適当にでっち上げた例)
【英題】
Ravel: Piano Concerto No.3 in E major Op.23:I Allegro
【邦題】
ラヴェル:ピアノ協奏曲 3番 ホ長調 作品番号23番:第一楽章 アレグロ
かつては音源ではなく譜面にて作品が流通していたためと思われますが、クラシック音楽では楽曲に対しては、ナンバリングや曲の調性、その作曲家の生涯中の作品を管理するための通し番号(ex:Op23)を記載することが多いようです(〈新世界より〉〈田園〉などの呼称は、ニックネームに近く、まず、この命名体系を把握すべし、ということになるよう)。上記のタイトルを解体すると以下の通りになります。
作曲家名:演奏フォーマット フォーマット中の通し番号 調性 作品番号:第X楽章 曲調
これをハードミニマル・テクノの古典として知られている、ドラムコードの10番レコードに適用すれば、例えばこんな感じになるやも(数字は適当)?
Cari Lekebush:Sampler&Rhythm Machine Sequence No.13 in atonality Op.48:A-1
作曲家と演奏フォーマットにある程度当たりをつければ、まずは、1ステップ掘りやすくなりそうです。また作曲家の全作品のなかでも、作品番号(Op.X)に当たりがつけば、〈ブルーノートの2000番台が云々〉〈ダンスマニアの一桁の頃の云々〉といった通っぽい掘り方もできるのかもしれません。
■演奏家、指揮者、楽団の把握
既成の曲を読み解き、解釈し、実演するという意味では、〈演者×作品〉という組み合わせでクラシック音楽は掘られることも多いようです。指揮者や、ピアニスト、楽団など、それぞれに時代の名手が個性を輝かせているようですが、そのあたりはまだまだ調査不足。様々な曲をきいているうちに、なんとなくわかってくるもんなんでしょうか。
追記:
作品番号にまつわる参考サイト
http://www.azwave.ne.jp/tutu/andsoon/works
投稿情報: dextrax | 2007/11/11 17:15