暇をもてあました非行少年たちが実家の車で高速を走らせ、お気に入りのミックステープのAメンBメンの巻いて巻かれてを繰り返しながら、レインボーブリッジと成田を何周も往復して遊ぶような、しょうもないハングアウト感覚。
鎌倉BOYSの二人は、国道沿いのB級ラーメンを食い、お気に入りのAVのコピーをトレードして、仲間の他愛もない悪口に一通り華をさかせ、思い出したよう にターンテーブルに針を落とす。シリアスな向きには申し訳ないが、酔っぱらいのサイコロトークのように始まるバック2バックスタイルのDJには、遊び心以 外に何もみあたらない。かつてあるオーガナイザーは彼らを評した〈シルバニアファミリーのような家族の結束で繋がれた、千葉のディスコ悪童たち〉。
二 人はたまに微笑みながら、爆弾のようなレコードを落とす。あの顔は、「ソプラノズ」のトニー・ソプラノが浮気相手の娼婦に歩みよるときの顔や、ヴェテラン のディスコDJが渡米時の悪遊び話に花を咲かせるときの顔を彷彿とさせる。無邪気な人間ほど、恐ろしいものはないのだ。そうして生まれたピークタイムを、 僕は何度も目撃している。
この日、彼らはDJをするかもしれないし、しないかもしれない。そんなことは大した問題じゃないのだ。鎌倉がDJをせず に酔っ払っていたら、それはイイパーティの証拠だし、IPPがDJをしていたら最近イイレコードが手に入った証拠だ。まず義務感を放棄するって姿勢が、遊 びの真骨頂になってるってことなのかも。絶対マネできないよね。
text by ryo of dextrax
2010/12/18
at bar Cheeky
JAMKARET
ENT:FREE
DJs:
TETSUO
NAKAO
ryo of dextrax
with/KAMAKURA BOYS
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